20161020

無題

 昨日の朝、電車で、もう夏が終わることに気付いたので、急いで夏休みをとった。
 今朝は8時に目覚ましが鳴って、もう一度目が覚めたら10時だった。今日は夏休みだと気付いて、しばらくボーッとした。
 洗濯をして、部屋の片付けをして、大量の古雑誌を捨てた。外は天気が良さそう、とカーテンの向こうを見て思った。
 銀行に行って、両替して、郵便局に行って、印字が満杯の通帳を新しいものに切り替えた。天気がいいので、半袖でもちょうどいいくらいの夏休み日和。
 それから電車に乗った。川がキラキラしていて、もうすすきがたくさん生えていた。平日の夕方の景色を見るのは久しぶりで、とても良かった。
 電車を降りて、しばらく歩いて、町はずれの温水プールに行った。靴を脱いで脱衣所に入ると、床が濡れていて靴下に染みたので、ロッカーに荷物を詰めて、その上に靴下を乗せた。
 水中をゆっくり歩く高齢者たちや、無秩序に遊ぶ親子を避けながら、ビート板につかまって2時間弱泳いだ。意外とのどが渇いた。あと指先がしわしわになっていた。
 帰る頃には外は真っ暗だった。さっきまで水の中にいたので、道を歩くのがとても簡単に感じて、宇宙に行くとこんな感じだろうか、と思った。
 少し遠回りして歩いて、家に帰って、水着を洗った。
 夏休みらしい秋の1日が過ごせて、満足している。

20161001

無題

 金木犀は、木星みたいだし、金星みたいでもある。でも犀という字は、動物のサイの意味で、それでいてあんなに甘い匂いがするなんて、変なの。可愛くて懐かしい香りを思い切り吸い込むと、胸がいっぱいになる。金木犀の香りを点々と辿りながら、住宅地を歩いた。一年中咲いていたらいいのに。
 
 世界の大部分は、清らかで正しいものだとずっと思っていたけれど、それはただ単に自分と深く関わる人たちが、素直で偽りないという、ほんの小さな一部分で、ほんとうの世界の大部分は、どうやら酷いものらしい。でも嘘をついている、とか、騙している、とか、悪いことをしている、とか、そういう意識もないらしい。大人になると多くの人は、なんのためらいもなく嘘をつくようになる。そんな自分さえも正当化する。
 世界に抗って、正直でい続けることは、ひどく苦しくて、痛い。だからみんな楽な方に流されて、仕方ない、とか、必要だ、とか言って、なんとなく世界に従う。
 ひどく苦しくて、痛くても、抗って抗って正直でいたい。何が正しいとか何が間違っているとかは、人の価値観によってまるで違うから判断できないけれど、でも絶対に、正直は美しい。だから何にも染まらずに、強い気持ちを持ち続けたい。
 
 世の中に希望がなくても、自分の中に希望があればいいし、世界が真っ暗でも、自分が発光すればいい。