20161120

無題

 知らない人のことは、本当に全然知らないのだけれど、何かの拍子に影響を受けたりなんかして、背筋が伸びるような気持ちにさせられた。
 世界は広いけれど、あるひとつの分野の世界はとても狭く、遠くにいると思っていた人が知り合いの知り合いだったりして、妙に現実味を感じてしまい、無関係であっても思うことはある。

 もうとっくに冬のような感じなのに、やっとダッフルコートを着た。
クリーニング屋の匂いに全身が包まれる。

 帰り道、冷たい風に身震いしながら、勝手に早歩きになる。
マンションの近くで、息が白いことに気が付いた。
白い息に気付くのは、ため息をついた時だけ。

 家に近付き、気が緩んだ瞬間、無意識についたため息が、とても白かったこと。
それから何度も深呼吸を繰り返し、白い空気がすうっと消えるのを見たこと。
すぐに忘れてしまうだろうけど、また次の冬のはじめに、同じ気持ちになれるのを、今から楽しみにしている。

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