部屋の中にいたのに、半透明のヘビが現れて、
そのヘビは身体がとても短くて、途中でちぎれてしまっていた。
目つきが鋭くて、私は怯えてしまったけれど、噛むことはない。
ゆっくりと足に、まるで猫のように、まとわりついて、
なんだか不憫に思えて、とりあえず洗面台にのせて、水をかけると、
どことなく喜んでいるようだった。
ところでヘビは何を食べるのか。ネズミだろうか。
ヘビを飼っている人に電話をかけた。
いちご味の錠剤か、ああ、それなら家のどこかにあったはず。
店舗の倉庫のように積まれた箱を開けて、
たくさんの生きた虫がカラフルな樹脂に入った標本をどけて、
太古の中国の百均みたいなセットの奥底から、
怪しい漢字がたくさん羅列する、錠剤のシートを取り出す。いちご味。
宝くじ売り場に行って、お月見くじをバラで5枚買った。
窓口の女性に、「当たりますように」と言われて感動した。
そういう規則だから言ってるのだとしても。
目で見ることができないもの、風。でもそこにある。風。
葉っぱが揺れていることで、電線が揺れていることで、見えているような気になっているけど、本当は見えない。でもある。つまり、見えないけど、実際に存在するものは、他にもあるだろうということ。心もそう。見えないけどある。神様とかは知らない。でも人間の認知できない生命は、いるだろうな、すぐそばに。
雨の日の、分厚い雲の色が、鉛色なのは、どうも納得がいかない。そんなにひどくない天気の日は、たいてい白色で、それはなんとなくわかる。
だって水蒸気には色がないし、雨にも色はない。だから雨色の絵の具はない。(水にも色がないのになぜか水色の絵の具はある。矛盾している。)なのにどうして鉛色なのか。はるか昔から、あの色の空を見ると、人間の心がどんよりするように、遺伝子に刻まれているのだとしたら、そろそろ雲は、セロハンみたいにきれいな、ピンク色とかになったほうがいい。降ってくる雨もピンク色。カバの汗みたいですこしエッチ。でも雨の色がピンク色になったら。ピンク色がエッチなんて言われなくなって、ピンク色を用いた国旗がたくさん生まれて、ピンク色は女の子の色だなんて言われなくなる。女の子の色だと思うと途端にウゲーとなるけど、そういうイメージが一切ないとしたら、ピンク色けっこう好きな気がする。ハムの色はそんなに好きじゃないけど、桃味のソーダの色は好きになれると思う。
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